トピックス TOPICS

歯がしみる・噛むと痛い・ぐらつく…原因と週末を待たずに受診する目安

歯がしみる・噛むと痛い・ぐらつく…原因と週末を待たずに受診する目安

冷たいものがしみた次は、噛むと痛む。週末まで待つかの分かれ目


冷たいお茶で奥歯がしみたのが数日前。昨夜の夕食では噛んだ瞬間に痛みが走り、今朝は指先で触れると少し動く気がする。症状が一つずつ増えていくと、仕事やお子様の予定を前に「週末まで様子を見てよいのか」と迷うものです。噛む痛みや新しいぐらつきが加わったときは、週末を待たずに歯科医院へ連絡する目安になります。ここでは、知覚過敏・むし歯・歯周病・歯のひびなど考えられる原因と、早めに相談したい変化、受診までの過ごし方を院長の視点で整理します。


この記事の要点まとめ


  • 噛む痛みやぐらつきが加わったら週末を待たず連絡し、腫れや発熱時は当日中の相談を検討します。
  • しみる時間や痛む場面は原因の手がかりですが、症状だけでは判断できません。
  • 受診までは刺激を避けて清潔を保ち、症状の経過をメモして伝えます。

目次



歯がしみる・噛むと痛い・ぐらつくとき、いつ受診する?

歯がしみる・噛むと痛い・ぐらつくとき、いつ受診する?

冷たいもので短くしみるだけだった歯に、噛む痛みや新たなぐらつきが加わったら、週末を待たずに歯科医院へ連絡する目安と考えてください。腫れや発熱まで出てきた場合は、さらに急いで相談します。


症状だけで原因や緊急度を決めることはできません。連絡するときは「いつから・何が変わったか」を伝えると、受診日を決める手がかりになります1。


腫れや強まる痛みがあるなら、当日中に相談したほうがよい?


何もしなくてもズキズキと痛みが強まっていく、歯茎や頬が腫れてきた、歯茎から膿が出る、熱っぽい。転んだりぶつけたりした後に、歯が明らかに動く——こうした変化があれば、当日中に歯科医院へ電話で相談することをおすすめします。歯の根の周りで炎症が広がっている場合や、歯が折れている場合などに見られる症状です21。


腫れが首や喉のほうへ広がり、飲み込みにくい・息苦しいと感じるときは、歯科の予約を待たずに救急の相談窓口や医療機関へ連絡してください。


腫れていなくても、噛む痛みやぐらつきが増えたら週末を待つ?


腫れがなくても、噛む痛みや動く感覚が新たに加わったなら、週末まで待たずに連絡を検討したい段階です。冷たい刺激で一瞬しみるだけの状態とは違い、歯の根の周りや歯を支える組織、歯のひびなどが関わっている可能性が出てきます1。


痛みが弱いことは、様子を見てよい根拠にはなりません。歯周病のように、強い痛みを伴わずに進むものもあります。勤務を抜けにくい方は、まず電話で症状を伝え、いつ受診すべきかを相談するだけでも判断がしやすくなります。


数日以内の受診を考えるのは、どのような症状?


冷たいものや甘いものを口にしたときだけ短くしみ、すぐに治まる。噛む痛み・ぐらつき・腫れはなく、日を追って強まってもいない。この範囲であれば、数日以内を目安に予約を取る考え方があります。知覚過敏は、こうした刺激に反応する短く鋭い痛みが特徴とされています3。


ポイント

しみるだけの状態から、噛む痛み・ぐらつき・腫れが一つでも加わったら、予約日を待たずに連絡を早めてください。


しみる・噛むと痛い・ぐらつく症状は、同じ原因で起こる?

しみる・噛むと痛い・ぐらつく症状は、同じ原因で起こる?

一つの原因から複数の症状が出ることもあれば、別々の問題が一本の歯に重なっていることもあります。そのため、症状の組み合わせだけで原因は決められません。手がかりになるのは「どんな場面で痛むか」と「痛みがどのくらい続くか」です1。


症状の出方考えられる主な原因の例
冷たいもので一瞬しみ、すぐ治まる知覚過敏、初期のむし歯
しみた後も痛みが長く残る進んだむし歯、歯の神経の炎症
噛んだ瞬間や力を緩めたときに痛む歯のひび(歯冠破折・歯根破折)
噛むと響く、歯が浮く感じがする歯の根の炎症、歯ぎしり・食いしばりの負担
ぐらつき、出血、口臭、膿がある歯周病、外傷、噛み合わせの負担

この表はあくまで目安です。実際には複数の原因が同時に関わっていることも多く、診察と検査を通して確かめていきます。


冷たいものや熱いものでしみる時間は、何を伝える手がかりになる?


しみる時間が「数秒で治まる」のか「しばらく続く」のかは、原因を絞り込むうえで役立つ情報です。知覚過敏は、露出した象牙質(歯の内側の層)に冷たさなどの刺激が伝わって起こる、短く鋭い痛みとされています3。


刺激がなくなっても痛みが長く残る、熱いものでもしみるといった場合は、むし歯や歯の神経の問題も含めて調べる必要があります。ホワイトニング後に一時的にしみることも報告されていますが4、それだけで噛む痛みやぐらつきまでは説明しにくいものです。


なお、知覚過敏の治療を検討した研究は、ほかの原因が除外された歯を対象にしています53。研究の結果を、自分で原因を見分ける材料にはできません。


噛んだときだけ痛むなら、むし歯以外も考える?


噛んだときだけ痛む場合は、むし歯以外の原因も視野に入れます。代表的なのは、歯冠破折・歯根破折といった歯のひびや割れ、根の先に炎症が起こる根尖性歯周炎、歯ぎしりや食いしばりで歯根膜(歯と骨をつなぐクッション)に負担がかかった状態です21。


「噛んだ瞬間に痛い」「力を緩めたときに痛い」「食後もしばらく痛む」のどれに近いかを、診察で伝えてください。ひびは力を抜いたときに鋭く痛むことがあり、根の炎症では噛むたびに響く痛みが続く傾向があります。


歯が浮く感じやぐらつきは、歯周病だけが原因?


ぐらつきの原因として多いのは歯周病ですが、それだけとは限りません。根の炎症で歯が押し上げられたように感じることもあれば、外傷や強い噛み合わせの負担で、揺れが大きくなることもあります21。


歯磨きのときの出血や口臭、歯茎を押すと膿が出るといった変化は、歯周病を含めて相談する手がかりになります。ただ、ぐらつきを確かめようと指で何度も揺らすのは控えてください。その刺激が、歯を支える組織の負担になることがあります。


受診まで、しみる歯やぐらつく歯をどう扱えばよい?


受診までは、痛む歯に力をかけず、刺激を避けながら清潔を保つことが基本です。家庭で原因を治そうとするのではなく、症状の変化を見逃さずに診察へつなぐための過ごし方と考えてください1。


食事では、痛む側で噛んだり硬いものを食べたりしてよい?


痛む側ではなるべく噛まず、反対側を使って食べます。ナッツやせんべいのような硬いもの、氷入りの飲み物や熱いスープなど温度差の大きいものも、しばらく控えると歯への刺激を減らせます。


反対側だけでも食べにくい、柔らかいものでも痛む。そんな変化が出てきたら、予約日を繰り上げて相談してください。


ぐらつく歯は触らずに、どう清潔を保つ?


指や舌で揺らさないよう意識しながら、歯磨きは続けます。毛先の柔らかい歯ブラシで、力を入れずに小刻みに動かす程度で構いません。


出血が気になっても、磨くのをやめると汚れがたまり、歯茎の炎症が長引く原因になります1。痛みでどうしても磨けない箇所があれば、それも診察のときに伝えてください。


症状が落ち着いたら、受診を取りやめてもよい?


痛みが一時的に引いても、受診は取りやめずに予定どおり相談することをおすすめします。噛む痛みやぐらつきが一度でも出た経過は、原因を探るうえで大切な情報です21。次の項目をスマートフォンのメモに残しておくと、診察で伝えやすくなります。


  • しみた場面(冷たいもの・熱いもの・甘いもの)
  • 痛みが続いた時間と、強まったか弱まったか
  • 噛む痛みやぐらつきに気づいた日時
  • 腫れや発熱の有無

ポイント

痛みが引いた時期があっても、症状の経過そのものが診察の手がかりになります。メモを手元に、予定どおり相談してください。


佐倉で歯科に相談するとき、原因はどう調べて伝えればよい?


診察では、症状の経過を伺ったうえで口の中の状態を確認し、必要な検査を組み合わせて原因を探ります。佐倉にお住まいで四街道方面へ通勤している方のように平日の時間が限られる場合も、症状の順番と希望を整理しておけば、短い受診時間で相談を進めやすくなります。


レントゲンや歯周ポケットの検査で、何が分かる?


検査は一つで原因が決まるものではなく、症状に応じていくつかを組み合わせます21。目で見る診察に加えて、歯の揺れの程度や、歯と歯茎の境目の溝(歯周ポケット)の深さを測ると、歯を支える組織の状態がわかります。


レントゲンでは根の周りの骨やむし歯の広がりを、冷たい刺激などを用いた検査では歯の神経の反応を確認します。ひびや根の形を立体的に確かめたいときは歯科用CTを使い、状態を一緒に見ながら説明を聞いていただく場面では口腔内カメラを用いることもあります。


診察では、症状の順番と通院の都合をどう伝える?


症状は「いつ・何が・どう変わったか」の順で伝えると、原因を絞り込む助けになります。たとえば次のような伝え方です。


  • 数日前から、冷たい飲み物で右下の奥歯がしみる
  • 昨夜の夕食で、噛むと痛むようになった
  • 今朝、指で触れると少し動く気がする

あわせて、勤務やお子様の予定で通える曜日が限られること、説明を聞いてから治療を決めたいことも、遠慮なくお伝えください。忙しい時期には一回の時間を長めにとって処置をまとめる、通えるようになるまで進行を抑えるといった進め方も、受診先で相談できる場合があります。


原因が分かった後は、すぐに治療を決める必要がある?


その場ですべての治療を決める必要はありません。当院に限らず、検査結果をもとにお口の状態と治療の進め方・期間・費用について説明を受け、納得してから治療を始めることが大切です。検査結果や治療内容をメモにまとめておけば、ご自宅で見返してから考えることもできます。


まずは痛みや腫れに対して今必要な処置を相談し、その後の通院計画はご都合に合わせて決めていく流れで構いません。その場しのぎではなく、10年先、20年先のお口を見据えて、今後の治療や予防を考えることも大切です。電話の際は、メモした症状の順番と通いやすい曜日を伝えるところから始めてください。


よくある質問


Q. 市販の痛み止めを飲んで、受診まで様子を見てもよいですか?


A. 市販の鎮痛薬は痛みを一時的にやわらげる助けになりますが、原因そのものが解消されるわけではありません。用法・用量を守り、持病がある方や服用中の薬がある方は薬剤師に確認してから使ってください。受診時には、飲んだ薬の名前と時間を伝えると診察の参考になります。


Q. ぐらつく歯は抜歯になるのでしょうか?


A. ぐらつきの原因や程度によって対応は変わります。歯周病の治療、噛み合わせの調整、隣の歯とつなぐ歯の固定などで、歯を残す方法をまず検討します。抜歯が必要と判断された場合も、抜歯後の選択肢としてブリッジ・入れ歯・インプラントがあり、それぞれの特徴を比べて選ぶことになります。インプラントは自由診療(公的医療保険が適用されない)で、治療後も定期的なメンテナンスを続けることが長く使うための前提になります。


一般的な流れは、検査・診断、あごの骨に人工の歯根を埋め込む手術、骨となじむまでの待機期間、上にかぶせる歯の型取りと装着です。期間は手術から装着までおおむね3〜6か月程度、通院回数は5〜10回程度が一般的な目安です。費用は1本あたり30万〜50万円程度(検査・手術・かぶせ物を含む)が一般的な相場です。


骨の量が足りず、骨を補う処置(骨造成)が必要な場合は、補った骨が安定するまでの待機として期間がおおむね3〜6か月程度延び、通院回数も2〜5回程度増えることが一般的な目安です。骨造成の費用は方法や範囲によって異なり、歯ぐきの側から骨を補う処置(GBR)で1か所あたり5万〜15万円程度、上あごの奥の骨を大きく補う処置(サイナスリフト)で15万〜40万円程度が、インプラントの費用とは別に加わるのが一般的な相場です。これらは一般的な相場であり当院の費用ではありません。当院の費用は診察のうえでご案内します。


主なリスク・副作用として、手術後の腫れ・痛み・内出血、まれに下あごの神経の近くでの処置による唇や顎のしびれ、上あごでは鼻の横の空洞(上顎洞)への影響が起こることがあります。骨造成を行う場合は、腫れや痛みが長引くことや、補った骨が十分に定着せず追加の処置が必要になることもあります。また、骨と人工歯根がうまくなじまない場合や、歯周病に似た炎症(インプラント周囲炎)が起きた場合には、やり直しや撤去が必要になることがあります。持病や服用中の薬、喫煙の有無によっては治療が適さない場合もあるため、事前に確認します。


Q. 初診で検査を受けると、費用はどのくらいかかりますか?


A. 保険診療で自己負担3割の場合も、診察とレントゲンなどの基本的な検査にかかる費用は、検査・処置の内容によって異なります。実際の費用は医療機関によって異なるため、受診先に確認してください。当院の費用は診察のうえでご案内します。


Q. 歯ぎしりや食いしばりが原因と言われた場合、どのような対処がありますか?


A. 就寝中に装着するマウスピースで歯への負担を分散させる方法や、強く当たっている部分の噛み合わせを調整する方法が一般的です。日中に上下の歯が触れている癖に気づいたら、意識して離すことも負担を減らす工夫になります。どの方法が合うかは、歯のすり減り方や痛みの出方を診て判断します。


参考文献


1. 厚生労働省「健康づくりサポートネット(口腔・歯の健康)」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/teeth

2. 厚生労働省「健康づくりサポートネット(疾病・健康に関する情報)」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/

3. Mahdian M, Behboodi S, Ogata Y, et al. Laser therapy for dentinal hypersensitivity. The Cochrane database of systematic reviews. 2021. PMID: 34255856 / DOI: 10.1002/14651858.CD009434.pub2

4. de Geus JL, Martins A, Reis A, et al. At-home vs In-office Bleaching: An Updated Systematic Review and Meta-analysis. Operative dentistry. 2025. PMID: 40485133 / DOI: 10.2341/24-078-LIT

5. Pion LA, Matos LLM, Gimenez T, et al. Treatment outcome for dentin hypersensitivity with laser therapy: Systematic review and meta-analysis. Dental and medical problems. 2023. PMID: 37023343 / DOI: 10.17219/dmp/151482


山田 浩平

歯科医師


医療法人社団星晄会 スター歯科

院長

山田 浩平

経歴
2008年3月 日本歯科大学 卒業
東京都中央区の歯科に常勤 勤務
神奈川県横浜市の歯科に常勤 勤務
東京都中野区の歯科に常勤 勤務
埼玉県さいたま市の歯科に非常勤 勤務
東京都足立区の歯科に非常勤 勤務
2015年9月 スター歯科院長
資格・所属学会
日本口腔インプラント学会
日本歯科先端技術研究所
日本歯科放射線学会
ドライマウス研究会
日本歯科放射線学会 エックス線優良医
ドライマウス認定医
日本口腔インプラント学会認証医