味覚の決定
味覚には甘味、苦味、酸味、塩味、うま味の
5つがあります。
早産児を対象とした海外の研究で、
母親の乳首にショ糖を塗ると、塗らない場合に比
べて
早産児の哺乳行動が増加したとの報告があります。
また、舌に直接少量の苦味溶液(キニン)を投与した
ときには哺乳行動が不活発になり、
酸味溶液(レモン)では唾液分泌が増加したとのことですり
この報告を裏付ける所見もあり、
生後2時間ほどの新生児にショ糖溶液を与えると
表情が和らいだのに対し、苦味、酸味、塩味については
不快な表情を示したとのことです。
特に苦味と酸味では反応が明確だったことから、甘味、苦味、酸味については、
出生時、すなわち母乳摂取を開始する段階で
区別する能力が備わっていると言えます。
「味覚が決定する時期」についてですが、
この問いを「食品の味の好き嫌いが決定する時期」と解釈すると、
食品の味の好き嫌いはおおむね後天的で、
生後に決定するものが多い、と言えると思います。
「おおむね」としたのは、母乳に含まれる乳糖が、
摂取後に分解されたのちエネルギー源である
ブドウ糖として利用されるため、
乳糖などの甘味を好むことは、
乳児にあらかじめ備わっている本能だからです。
同じく母乳に含まれるうま味、塩味についても
乳児は抵抗なく受け入れます。
したがって、離乳食期以降に苦味・酸味のある
食品を摂取する機会が増えることで、
好きな食品、嫌いな食品が決まってくると考えられます。
また、このような味覚の形成には
「味の経験・記憶」も関係している可能性があり、
甘味食品をほとんど食べなければ、
甘味を快刺激として感じにくい、いうことはあるかもしれません。
日本人を対象に実施されたアンケートに基づく調査では、
好き嫌いが決まった時期として
小学校低学年という報告もあります。
なるべく色んな味が食べられる味覚を
子ども達にはGETしてもらいたいですね!
🦕スター歯科 ましこ