歯周病と睡眠の関係??
睡眠障害が起きると体内の恒常性が破綻し、
さまざまな問題が起きます。
睡眠障害にともなう睡眠時間の低下・質の低下は、
糖代謝異常、20〜30%のインスリン抵抗性の低下、
30〜50%の糖尿病発症のリスクの増加、
自律神経の低下と関連します。
血糖上昇は、白血球の遊走能の低下を導くなど
免疫機能の低下につながります。
重症OSA(閉塞性睡眠時無呼吸)患者では、
就寝時SpO2が70%程度まで低下し、
低酸素症となると交感神経が優位になり、
心拍数の増加などの変化が起きます。
さらに睡眠・覚醒リズムは、体温などの自律神経系、
内分泌ホルモン系、免疫・代謝系などと同様に、
体内時計によって約1日のリズムに調節されており、
このような概日リズムの悪化は糖尿病のリスクを上げ、
体重増加と肥満によるOSAのリスクを
さらに上げることになります。
とくに免疫系の異常は歯周病悪化に直結します。
糖尿病は、血糖値の上昇にともない白血球(好中球)の
遊走能の低下などの免疫異常を引き起こします。
また、睡眠呼吸障害から引き起こされる2次的疾患の一つに
膠原病があります。
治療には、ステロイドや免疫抑制剤が使われます
が、
ステロイドの長期投与では年間10%の骨量の減少を認め、
自己の免疫異常を抑止するばかりでなく、
必要な免疫も抑制される傾向があるため、
細菌に対する抵抗力が落ちることになります。
さらに、膠原病以外にうつ病などの精神疾患も
起きやすくなるとされています。
うつ病患者では自己清掃困難や内服薬にともなう
口腔乾燥も歯周病悪化の因子となります。
眠呼吸障害にともなう体内の低酸素状態は、
スーパーオキサイドの発生を促し、
炎症が起こりやすい環境となります。
直接的に睡眠呼吸障が歯周病を悪化させるのではなく、
睡眠呼吸障害から2次的に発生する糖尿病や
膠原病などの疾患により
歯周病が悪化しやすくなるわけです。
また、アジア人のOSAでは、
その原因が肥満や顎変形症とされており、
下顎症の患者にリスクが大きいとされています。
多くのOSA患者では、歯ぎしり、くいしばりも発症します。
咬合(食いしばりや歯ぎしりなどから引き起こ
性外傷)
の因子が前述の全身的な問題に加わると、
歯根膜の拡大、歯槽骨の吸収などが
容易に引き起こされ、
歯周病は悪化しやすくなるわけです。🦷💥💥
スター歯科 ましこ